本堂前に花御堂を設え、誕生仏に甘茶を注ぎ、お釈迦さまの誕生日を祝福しました。

お釈迦様は、生まれるとすぐに七歩あるき、右手で天を左手で地を指して「天上天下唯我独尊」と唱えたと云われています。「この世界の中で、我こそが唯一無二の存在である。」という意味に捉えられがちですが、本来は「全ての生命の存在が尊いものである」という意味となります。
誕生日と云われる４月８日には、各寺で灌仏会が行われ、草花で飾り付けられた花御堂を作り、その中に置かれた誕生仏に甘茶を灌いでお祝いします。
これはお釈迦様が誕生したときに「天から竜が降りてきて香湯を灌いだ」という故事に由来しています。誕生仏は、その時の様子を表しています。

今年は参拝者の皆様に甘茶のティーバッグを差し上げました。花まつりで使用されている甘茶は、ヤマアジサイの変種である小甘茶から作られています。砂糖がない時代には甘味料として非常に重宝され、漢方薬の苦み消しや民間療法などに使用されていたそうです。