マンション建設反対運動終結について
松山市持田町3丁目(西龍寺隣地)において、平成29年8月30日からの某デベロッパーによるマンション計画(当初12階)は、令和3年8月30日に新オーナー様による賃貸アパート計画(3階)へ変更されたことを受けて、同日にマンション計画反対運動の終結を宣言致しました。
この反対運動の争点は、狭隘道路を搬入経路とする大型工事車両による交通障害と、中高層建築による日照、景観、地下水、文化財を害する諸問題による公衆災害でした。
マンション計画は99%阻止不可能とされていますが、住民と檀信徒の不安の声に寄り添うのは和尚として当然のことであり、新任住職としての試練と捉えて始めた反対運動でした。各方面へ協力を呼びかけ、妻とチラシを配り、子供らと幟旗設置のお願いに駆け回り、幾度の説明会においても状況が進展せずに心が折れかけた日もありました。その度に檀信徒や支援者から励ましていただき、まだ諦めてはならぬという気持ちを奮い立たせました。
四年という歳月のなか、歴史ある地域性と安全を軽視するべからずと唱え続けたことで反対運動は拡大しました。西龍寺歴史文化協議会と持田町まちづくり協議会の設立で一致団結の風向きへと変わり、新オーナー様の有難いご決断によって終結の日を迎えられたことは感慨無量の極みであります。
この終結に至った根源は、室町時代から持田を守護してきた西龍寺御本尊並びに竹之宮延命地蔵の仏縁によるものであると感じています。その仏縁を大切に今後も人々の声に耳を傾けながら精進させていただきます。
末筆ではございますが、手を差し伸べていただいた全ての方々に心より感謝申し上げます。